• 大建工業株式会社
  • TOA株式会社

    M055:欄間オープン個室の音漏れ改善ソリューション

    実施時期2021年6月24日~2022年1月15日
    ステータス継続中
    カテゴリ効率
    場所・空間point 0 marunouchi

    背景・課題

    感染対策によるオンライン会議の需要が高まる中、音に対する様々な問題が顕在化している。
    『会話の内容が周りの人に聞こえていないだろうか…』『他の会議での会話が気になり集中できない…』等、ますますその重要性が問われている。
    更に、サテライトオフィスが各地で増える中 「完全個室」より、コストメリットのある「欄間オープン個室」が増えている。しかし、欄間オープン個室では音漏れ・秘密情報漏洩問題の懸念がある。 一方で、吸音パネル単体・マスキング単体での状況改善が難しいこともあり、建築音響の視点(大建工業)・電気音響の視点(TOA)の2社間での実証実験を行った。

    概要

    集中ブースにある欄間オープン個室にて、大建工業の吸音パネルとTOAの自然音マスキングの併用による秘匿性向上と快適性向上を実現できる最適なバランスを検証。

    <検証項目>
    半個室Aで音を発生させ、半個室Bへ被験者に入って頂き、各条件で以下項目を評価(被験者35名)
    ・聴き取り試験(単語了解度)
     →文脈関係なく流れてくる単語を聞いて、書き取りを実施。
     →どのくらい正確に聴き取れているかを評価
    ・響きや話しやすさの主観評価

    <実証実験の条件>
    自然音を使ったマスキングを一定のレベルで流した条件で吸音パネルの枚数を段階的に変化させる。

    検証結果

    自然音マスキングがある環境下でも、吸音パネルを一定数設置することにより個室間の話し声が聞き取りにくくなることを確認した。
    またパネル枚数を増やすことにより、自然音マスキングの音量を下げても聴き取りにくさが保てることを併せて確認でき、残響音低減による心地よさだけでなく、室内音圧レベルの低減による空間快適性に貢献できる可能性が示せた。

    明瞭度の低下(聴こえるけど聴き取りにくい)
    共用部を挟んだ対面ブース間(マスキングシステム有)にて話し声が「聴こえるけど正確に聴き取りにくい」音環境に改善。
    『吸音パネル』がない場合、約22%の単語が正確に聴き取れていましたが、『吸音パネル』を設置することで、正答率は約5%に低下。95%程度の単語が正確には聴き取れなくなっていることが確認できました。

    <ソリューションの紹介サイト:大建> https://www.daiken.jp/public/products/offtone_2/
    <ソリューションの紹介サイト:TOA> https://go.toa-global.com/office_market/solutions

    今後の展開

    欄間オープン個室での秘匿性/快適性の指標作りへと進めると共に、point0で手掛けているサテライト事業にソリューションとして提案する。更にはオフィス空間に増える欄間オープン個室でのスタンダードソリューションへの展開を目指す。

    Project Member プロジェクトメンバー

    • 大建工業株式会社
      商品企画部 イノベーション課 兼 音響製品部 開発課
      福谷 優作

      2011年大建工業入社。音響製品部に配属し建築音響製品の企画開発、特にオフィス市場向け音響製品の企画開発に携わり、2021年4月より商品企画部を兼任。 現在は音響の知見をベースに公共・商業建築分野での商品企画開発全般を担当。

    • 大建工業株式会社
      商品企画部 イノベーション課 課長
      髙桑 健一

      2001年大建工業株式会社入社。音、空気、光などの建築環境分野の商品開発を11年間担当。その後、マーケティング部門において住宅分野を中心に建材事業、素材事業の商品企画およびアライアンス企業との商品企画開発に従事。現在は、オープンイノベーションを活用した公共・商業建築分野の商品企画開発に取り組む。

    • 大建工業株式会社
      音響製品部 開発課 課長
      駒倉 昌和

      2004年大建工業株式会社入社。入社来遮音、床衝撃音などの建築環境分野を中心に商品開発を担当。集合住宅建築の音対策提案などの経験を活かし、2021年4月より現職。

    • TOA株式会社
      エンジニアリング部 システムデザイン課 課長
      埜中 靖夫

      TOA入社後、国内外の空港・鉄道や商業施設等のプロジェクト案件を担当。海外販社への出向経験も活かし、現在は技術的な観点から国内外のビジネス戦略・企画を描くとともに、社内外の協創推進に従事。

    • TOA株式会社
      エンジニアリング部 システムデザイン課 東京グループ
      前田 耕造

      九州芸術工科大学卒。TOA入社後、グループ会社の(株)ジーベックに出向。AV制御システムのシステムエンジニア、公共空間や製品音の音デザインの領域で活動。現在は音コンテンツに関する新規事業開拓等に従事。

    • TOA株式会社
      エンジニアリング部 システムデザイン課 東京グループ グループリーダー
      喜村 康弘

      組込みソフトウェア技術者としてTOAに入社後、北米向け鉄道車両放送システム開発をソフトウェアプロジェクトリーダーとして従事。2021年4月より現職。point 0では音に関連するPoCの技術面を担当。

    • TOA株式会社
      ソリューション営業本部 営業戦略部 副部長
      空山 雅一

      入社後、国内の商業施設や金融機関等の音響・BGMコンサルティング営業を担当。海外出向も経験し、中国・東アジア事業部長などを歴任。現在は国内外問わず、空間内の音コンサルティングを軸に活動。

    • TOA株式会社
      ネクストビジネス推進室 室長
      稲畑 伸一郎

      大学で音響工学を学び、1999年 TOAに入社。入社後は代理店営業、OEM営業、企業間コラボレーションの特命担当等に従事。ソリューション系および首都圏エリアの営業部長を経て2021年4月に新規事業創出を担うネクストビジネス推進室を立ち上げ、室長に就任。2021年6月から株式会社point0の取締役も兼務。

    • TOA株式会社
      ネクストビジネス推進室
      竹本 悠平

      2013年 TOA株式会社入社。関西エリアで鉄道事業者・通信事業者との共創での、“街の安全を守るIoTを活用した防犯カメラシステム”の納入に従事。2020年より東京へ異動、新規事業推進担当としてpoint0 での活動を通じて事業化へ向けて活動。

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