• 株式会社丹青社

    M048:IoTセンサーと連動した空間満足度評価システムの有用性検証

    実施時期2021年6月7日~2021年9月3日
    ステータス完了(撤去済)
    カテゴリ創造,健康
    場所・空間point 0 marunouchi

    背景・課題

    利用者が今いるその環境に満足しているのか、不満を感じているのかを、IoTセンサーで取得している環境データのみで読み取ることは難しい。空間の満足度を調査することで空間・環境のどこに、何に不満を感じているのかを取得し、さらに環境データと掛け合わせることで、IoTセンサーによる空間価値向上の糸口を探った。

    概要

    個人利用のためのブースにタブレット端末を設置し、その空間の満足度を収集した。アンケートを収集する過程で課題となる回答数を確保するため、タップするだけでその時点の主観的な3段階の満足度を回答でき、個人情報の入力なく回答できるシステムとした。そこで得られた利用者の評価データと、温度や湿度といったIoTセンサーから取得した環境データの実数値とを掛け合わせて分析し、各空間でどの要素がどの値になると不満を感じるようになるのかを特定し、空間の改善を目指した。

     

     

     

    検証結果

    満足や普通に対して不満が最も少ない結果となり、point0の高環境性を再度把握することができた一方で、35.4%と最も高い不満回答率であるPersonal_4をはじめ、一部環境に課題があることが分かった。

    不満項目はPhone Boothでは【暑い】、Personal Boothでは【寒い】と、場所により不満の要因が異なっていた。


    さらに「寒い」「暑い」の不満評価とその時間のIoTセンサーの温湿度を組み合わせて見ると、温度が急激に変化した際に不満が発生することが読み取れ、温度数値そのもの以上に「変化」が重要であることが分かった。これらの原因として、Personal Boothはビル空調があり個別に制御できない環境であることによる影響の大きさも把握できた。

    満足度評価システム自体についてのアンケート結果は、『簡単に、時間をかけずに回答できる』の回答が9割弱、『空間の快適さや不満の感じ方は人それぞれなので、定量的データを取得することは大切だと思う』の回答が7割弱であった。匿名で簡単に回答できることでデータとしての扱いも容易であり、このアンケートシステムそのものの有用性も確認できた。

    今後の展開

    今後point 0の参画企業と連携してデータを活用し、より快適なオフィス空間づくりを実現するソリューション創出を目指す。また、このアンケートシステムを応用し、店舗における売上や利益などの購買データとも掛け合わせたサービスの向上など、他分野への展開も目指す。

    Project Member プロジェクトメンバー

    • 株式会社丹青社
      企画開発センター 企画部 部長
      菅波 紀宏

      丹青社入社後、営業として商業施設、空港、オフィスなどの空間づくりを担当後、経営企画部門に異動。その後2019年2月より企画開発センター企画部部長として、マーケティング活動全般およびオープンイノベーションによる商品開発等に従事。

    • 株式会社丹青社
      企画開発センター 企画部
      佐藤 知美

      丹青社入社後、制作として商業施設やイベント関連に携わったのち、企画系部門へ異動。point 0参画後は他社との協業や新たな取り組みを推進中。

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