M025:業務に応じた最適な音空間を提供するための効果検証
実施時期 | 2020年8月24日~2020年11月23日 |
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ステータス | 完了(常設化) |
カテゴリ | 効率,創造,健康 |
場所・空間 | point 0 marunouchi |
背景・課題
一般的なワークプレイスにおいて、音環境はそれほど重要視されていない現状がある。しかし、ビジネスパーソンのパフォーマンスやクリエイティビティ、ウェルネスに音環境が与える影響は大きいと考えられている。音が人の行動や心理に与える影響を調査した学術的な研究は少なくないが、実際のワークプレイス環境における実証事例は少なく、効果の定量化も難しいため、ワークプレイスの音環境を整え利活用している実例は少ない。
概要
音環境をエリアごとに分け、それぞれ季節感のある音演出を施すことで、TPOごとに最適なサウンドコンテンツとサウンドシステムを検証する。また、必要な音を必要な場所にだけ届ける“音空間のゾーニング”の価値も、鳴らし分けが可能なネットワークPAシステムを使って検証する。そのときの音環境と作業内容を掛け合わせた条件によってアンケートを取得し、音環境がビジネスパーソンに与える影響を検証する。
検証結果
自然環境音の効果として、①利用者の集中力を高める効果 ②利用者をリラックスさせる効果 ③執務場所の雰囲気を明るくする効果 が確認できた。アンビエントBGMの効果として、利用者の気分転換を促す効果 が確認できた。一方、自然環境音以外のBGMを流すことに30%弱の反対意見があったが、自然環境音とアンビエントBGMをミキシングすることで反対意見が5%まで減少した。
<関連する実証実験(No.10):point0> https://www.point0.co.jp/poc/m010/
<ソリューションの紹介サイト:TOA> https://go.toa-global.com/office_market/solutions
今後の展開
快適な音空間に加えて空調や照明、香りなど聴覚以外の感覚を刺激する演出も施し、クロスモーダル効果がビジネスパーソンに与える影響を検証する。“音の報せる力”の可能性を追求し、総合的に付加価値の高い空間を探索する。
Project Member プロジェクトメンバー
- TOA株式会社エンジニアリング部 システムデザイン課 課長埜中 靖夫
TOA入社後、国内外の空港・鉄道や商業施設等のプロジェクト案件を担当。 海外販社への出向経験も活かし、現在は技術的な観点から国内外のビジネス戦略・企画を描くとともに、社内外の協創推進に従事。
- TOA株式会社エンジニアリング部 システムデザイン課 東京グループ前田 耕造
九州芸術工科大学卒。TOA入社後、グループ会社の(株)ジーベックに出向。AV制御システムのシステムエンジニア、公共空間や製品音の音デザインの領域で活動。現在は音コンテンツに関する新規事業開拓等に従事。
- TOA株式会社営業戦略部 ネットワークサービスビジネス課 課長吉川 貴明
TOA入社後、四国エリアの営業担当、減災防災ソリューションの全国展開経て、現職に至る。 CM・BGMコンテンツや多言語アナウンス音源の制作・配信、カメラ映像の遠隔監視などのネットワークサービスビジネスを推進。
- TOA株式会社営業戦略部 ネットワークサービスビジネス課池田 健二
TOA入社後、九州エリアの営業担当を経て現職に至る。CM・BGMコンテンツや多言語アナウンス音源の制作・配信、カメラ映像の遠隔監視、AI機能を活用したセンシングデータ提供などのネットワークサービスビジネスを推進