M009:センサス
実施時期 | 2019年8月~2020年1月 |
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ステータス | 完了(撤去済) |
カテゴリ | 効率,健康 |
場所・空間 | point 0 marunouchi |
背景・課題
オフィスチェアは、人間工学に裏付けられた背もたれや座面の調節機能があり、それぞれ調節することによりその機能を最大限に活かすことができる。しかし、それを知らずに使用しているユーザーも多く、機能が十分に活かされていないケースがある。
利用者に合った調整位置と調整方法をガイドし体感してもらうことで、適正なオフィスチェアの使い方の啓蒙を図る。また、利用者の着座姿勢を長時間計測することで、好ましい着座姿勢や適正な設定を習慣化する手法と効果について検証する。
概要
集中ブースの1席にセンサー付のセンシングチェア「Census」を設置し、チェアの設定と利用状態に関するデータを常時計測した。
机上のタブレットに表示されるメニューにそって利用を開始すると、計測データをもとに利用者の着座位置を自動推定、終了時には利用者の着座姿勢の傾向が画面に表示される。
これらの計測・推定データを用いて、利用者の着座姿勢について、好ましい着座姿勢のポイントである「背もたれに背中をつける」「座面に奥まで座る」ことに加え、「左右バランスよく座る」ことに着目した検証を行った。
【姿勢の判定】
【調整のガイド】
検証結果
Censusを利用して設定を行うことで、他オフィスの同様の調査結果に比べ「好ましくない」着座姿勢の軽減効果が見られた。
特に「背もたれに背中がついている」時間の割合については52.3%となり、Censusを利用しない場合は20%弱という結果と比較し、大幅に改善された。
今後の展開
「背もたれに背中がついている」「座面に奥まで座る」「左右バランスよく座る」などの具体的な姿勢と働き方の関係を解析し、着座姿勢に関する新たな知見および好ましい着座姿勢や適正な設定を習慣化する手法と効果について検証する。
Project Member プロジェクトメンバー
- 株式会社オカムラマーケティング本部 ワークプレイス製品部中島 千尋
2015年入社。ワークプレイス製品の企画・開発部門にてオフィスチェアの開発を担当。2018年以降はソファやテーブルの開発に従事。2016年のセンシングチェア「Census」企画の立ち上げに携わり、以降開発を担当した。
- 株式会社オカムラデザイン本部 フューチャーテクノロジーセンター小花 光広
2006年入社。製品に関する新しい技術の研究・開発に従事。センシングチェア「Census」企画の立ち上げに携わり、現在はpoint 0の健康WGとデータ活用WGメンバーとしても活動中。
- 株式会社オカムラワークデザインストラテジー部 コンサルティングセンター 所長上西 基弘
1997年入社。オフィスを対象とした環境心理・行動特性に関する調査・研究業務に従事。現在はオフィスのコンサルティング業務部門のマネージャーを務める。2016年から2021年までセンシングチェア「Census」の開発・検証に携わる。