Interview with Ms. Ohashi of TOTO LTD.

    第6回目のpoint 0 committeeインタビューは、TOTO株式会社の大橋さん。TOTO株式会社のスマートリンク推進部として、IoT商品・サービスの企画を行なっていらっしゃいます。point 0ではどのような取り組みをされているのかをお聞きしました。

    <大橋さんの自己紹介をお願いいたします!>
    大学では機械工学を専攻後、1995年にTOTO株式会社に入社しました。
    入社後は、洗面化粧台の開発をしたのち、総合研究所に異動して材料の研究をしたり、研究企画のマネージャーをしていました。
    2016年にIoT推進に社長に提言できる機会があり、そこからIoTに携わることになりました。
    2017年にUD(ユニバーサルデザイン)ライフデザイン研究部という部署が新設され、IoTや新しい技術をマッチングする研究を行なってきました。
    そこから、製品化するために研究所からスマートリンク推進部に異動し、商品・サービスの検討を行なっています。2019年4月から現職に就きました。

    <TOTO株式会社の紹介を簡単にお願いいたします!>
    1917年に創設された企業で、2019年5月で102年目に入りました。
    トイレやお風呂などの水回りを中心とした製品を開発・販売を行なっている会社で、セラミックや環境建材事業などの新領域事業も行なっています。
    『あしたを、ちがう「まいにち」に。』をコーポレートメッセージとして、グローバル展開を行なっている会社です。

    「ウォシュレット」という名前はみなさんご存知ですね。
    温水洗浄便座ですが、この言葉の商標は、TOTO株式会社が保有しているんですよ。

    <point 0に参画することとなった経緯を教えてください!>
    まずはじめに私がpoint 0の話を知る以前に、弊社の販売部門の方がpoint 0代表のダイキン工業株式会社の石原さんとお会いして、面白い話だったと持ち帰ってきていました。その後、販売部門にてpoint 0にシャワーブースを提供する、というのを決め、ちょうど社内でもオフィスで水回り設備はどのような役まわりを果たせるのかを議論しているところだったので、販売部門と協力しながら私も担当する運びになりました。シャワーとIoTでどうすればpoint 0に関わりを生み出していけるのか、を考えるところから私のpoint 0との関わりはスタートしました。

    こういった先進的なオフィスができることも聞いていたので、”オフィス空間において、シャワーがどんな役割を果たせるか”を実験して、試さない手はないと思いました。

    FacebookやYahoo!などアメリカ企業ではオフィスにシャワーがあることが多いのですが、日本ではまだまだ馴染みがないんですよね。

    今回参画する段階では、シャワーを設置して、働くということに良い効果が得られているのか、を検証していきたいと考えています。

    <point 0 marunouchiでのシャワーの使われている頻度は、どれくらいなのでしょうか?>
    そもそも日本人はオフィスにシャワーがあることで、勤務時間中にもシャワーを使うのか、という疑問から始まっています。
    日本人は真面目な気質なので、勤務時間にシャワーを使うのかな?と思っていました。
    当初は、1日あたり5名ほどを想定していたのですが、アンケートを取ったところ、思った以上の方に使用いただいていて、使用時間もバラバラでした。

    <point 0でコラボレーションしていきたいことはありますか?>
    まだコミッティー企業様や入居企業様との共創の形がぼやっとしているところも多いのですが、point 0のコミッティーになったからには、何らかの形にしたいなと思っています。
    ここにきて見ていて一つ気付いたのは、シャワーを浴びて出た後の心地良い空間とはどんなものなのか、ということです。
    脱衣室も含めてシャワーブースなのだと気づき、空間全体で快適なシャワーブースを実現していかないと行けないと考えています。

    <オフィスにおけるシャワーというのは、ジェンダーな問題が多いような気がしますね。大橋さんはどのようにお考えでしょうか?>
    point 0にはワークライフバランスという考え方よりも、ワークライフインテグレーションという考え方があっている人が多いのではないでしょうか。働く時間も場所も自由になっていくと、その辺りを敢えて分ける必要もないんじゃないかなと思いますし、スタートアップのような企業だと昼夜なく働くケースも多いので、シャワーを浴びて気分転換をしたい人は多いように思います。

    また、男性・女性ではシャワーを使う目的が異なりますよね。
    男性は気分転換が目的になっている人が多いように思うのですが、女性はシャワーを浴びた後に肌を整えたり、お化粧をし直したり、パッとシャワーを浴びて出ることは難しいですね。

    そして、女性の場合は、シャワーブースのアメニティの充実が肝になってきます。ホテルに行けば、どんなアメニティがあるのかを楽しみにしている女性が多いでしょう。
    普段使えないものを使いたい、というお声は多いですね。
    そのあたりも含めて、男性と女性がシャワーブースに求めるものが異なるので難しいですね。そもそもシャワーという位置付けで良いのか、という議論も社内で行なっていますね。

    <point 0で今後やっていきたいことを教えてください!>
    シャワーはプライベートの空間なので、オフィスでどう使われているかをまずはじっくり知りたいと思っています。具体的には、吐水や利用時間など、自動でセンシングできる基本情報はなるべく取得し、実態調査を行いたいんです。

    そこから取れたデータを元に、どんなサービスを提供すればいいのかを考えたいと思っています。
    私達は、より快適に暮らしたいのであって、過剰な情報が欲しいわけではありません。そこで働く人の目線に立つと、より具体的なIoT製品・サービスの企画を行うことができるかもしれません。

    オフィスで生産性をあげることがpoint 0のテーマなので、本当に生産性が上がるかどうかも検証したいですね。

    <ありがとうございました!>